じんま疹に対する可視総合光線療法

一般財団法人光線研究所

所長 医学博士 黒田一明

 じんま疹は最も一般的な皮膚疾患の一つであり、日本では全人口のおよそ10~20%が生涯のうちに経験するとされています。特に働き盛りの20~40歳台に多くみられ、多くの報告では女性に好発するとされています。生命に直接影響することはあまりありませんが、かゆみや赤みがやっかいな疾患です。じんま疹の多くは真の原因が不明ですが一部のじんま疹では、その要因としてビタミンDの関与が指摘されています。今回はじんま疹の解説とビタミンDとの関係研究の紹介、光線治療でじんま疹が改善した例を紹介します。

■主なじんま疹の分類

 じんま湿とは、皮膚の一部が赤く膨らみ、数時間から1日くらいで消えてしまうことを繰り返す病気です。多くの場合、強いかゆみを伴います。じんま疹の形は蚊に刺されたときのような赤い膨らみ(膨疹)で、大きさは小豆粒くらいから手のひらくらいのものまでさまざまです。膨らみが消えた後は全く跡が残らないことが特徴です。原因は特定できる場合とできない場合がありますが大まかに次のようにな分類となります。

・特発性じんま疹(急性じんま疹):6週間以内に治るじんま疹で、細菌、ウィルス感染などが原因となっていることが多い。

・物理性じんま疹:皮膚の圧迫や摩擦、寒冷刺激、日光照射、温熱などにより生じる。

・コリン性じんま疹:入浴、運動、精神的緊張などの汗をかくときに点状のじんま疹があらわれる。

・アレルギー性じんま疹:食物、薬、昆虫の毒素などに含まれる特定物質(アレルゲン)に反応して発症し、アレルゲンに結合するIgE抗体が関与する。

・非アレルギー性じんま疹:非ステロイド性抗炎症薬、造影剤やタケノコなどの食物により発症し、IgE抗体が関与しない。

・血管性浮腫:まぶたや唇が膨れ上がる特殊なじんま疹

■じんま疹の医療機関での治療

 じんま疹にはかゆみや赤みの原因であるヒスタミンに対する抗ヒスタミン薬などの飲み薬を中心とした治療が行われます。このほか、胃薬や免疫を調整する薬が使われることもあります。アレルギーなどの原因が明らかな場合は、原因の回避が大切です。原因が特定されない慢性じんま疹では抗ヒスタミン薬以外に注射薬を使用する場合があります。注射薬はヒスタミンがでるきっかけになるIgE抗体をブロックする薬で、これまでの飲み薬を継続しながら、月1回皮下注射します。食物や薬、昆虫の毒素などにより、じんま疹とともにアナフィラキシーショックが起こった場合はアドレナリン自己注射(商品名:エピベン)が必要です。なおアナフィラキシーショックはじんま疹の他呼吸困難や血圧低下をともなう救急車を呼ぶほどの重篤な場合もあります。

■じんま疹患者は血中ビタミンD濃度が低い

 ビタミンDはアトピー性皮膚炎や気管支喘息の発症機序に関与することが示唆されていることから、じんま疹においてもビタミンDはその免疫調節因子として重要な役割を果たしていると考えられる。慢性蕁じんま疹患者50人、対照群(健康人)25人の血中ビタミンD濃度を測定し、比較検討した。その結果、血中ビタミンD濃度は蕁じんま疹患者は29.4ng/ml、健常人は39.6ng/mlとじんま疹患者で優位に低かった。また、じんま疹患者は主に女性であったことから、血中ビタミンD濃度を女性のみで調べると、じんま疹患者では48%、健常人では17%がビタミンD欠乏症でじんま疹患者で優位に多かった。以上、ビタミンDがじんま疹のようなアレルギー皮膚疾患で重要な免疫調節因子であることが考えられる。

■じんま疹患者における血中ビタミンD濃度の評価とビタミンD投与による治療効果の評価(インドの研究)

 慢性蕁じんま疹患者192名を血中ビタミンD濃度のレベルか3郡に分け次の薬剤を投与した。①ビタミンD薬を投与した郡②抗ヒスタミン薬とステロイド薬を投与した郡③ビタミンD薬抗ヒスタミン薬を投与した郡。ビタミンDの欠乏や不足の人は、慢性じんま疹患者群で91%、対照群で64%と患者群で多かった。結果は各郡ともに治療後にかゆみは有意に軽減した。特に③ビタミンD薬、抗ヒスタミン薬、ステロイド薬の3つの薬を投与した郡でかゆみは著しく軽減した。以上から、慢性蕁じんま疹患者は血中ビタミンD濃度が低く、ビタミンD薬を抗ヒスタミン薬、ステロイド薬と併用すると、患者の症状改善に対する反応性が向上することが示された。

光線研究 第654号 令和8年2月1日発行 一般財団法人 光線研究所

kiichiro2
  • 船橋市馬込沢で鍼灸院・光線療法院をやってます。
    慢性疾患をよくするためには、
    自己のもつ治癒力を高めることが非常に重要です。
    このブログでは主に光線療法について、
    日光を浴びることの重要性について綴っていきます。

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