慢性糸球体腎炎 1

慢性糸球体腎炎(慢性腎炎)は、腎臓の糸球体が慢性の炎症を起こし、その経過が数年から数十年に及ぶものをいいます。多くの場合、腎炎のことを「糸球体腎炎」と呼ぶのは、腎炎のほどんどは「糸球体」に炎症を起こすためで、腎炎には他に腎盂腎炎などやさまざまな腎症があり治療法も異なります。また膠原病などの病気にかかったときに腎臓が炎症を起こすことがあります。

※腎盂腎炎は、 腎臓と尿管の接続部分である腎盂が細菌によって炎症を起こす病気

慢性糸球体腎炎は、しだいに腎臓の働きを低下させ、最後には尿毒症の状態となる不死の病といわれてきました。しかし、腎性検法(腎臓の一部を採取して、その組織片を顕微鏡で調べる)が広く普及するにしたがって、この病気の病態が詳しくわかってきました。

その結果、一部では、経過中に臨床的に治ってしまうもの、進行が非常にゆっくりで経過が長いもの(進行しない腎炎)、比較的短い年月で腎不全になるもの、そして長い経過で徐々に進行し、最後は尿毒症になるものなど、いろいろな経過を示すものがあることが明らかになってきました。

慢性糸球体腎炎の病因

 急性糸球体腎炎が治りきらず、1年以上尿の異常所見(たんぱく尿、血尿)、または高血圧が続き、慢性の経過をとるものや明らかな急性腎炎症状がなく、人間ドックや健診で偶然に尿の異常が発見され、異常が1年以上続くものをいいます。

慢性糸球体腎炎の原因は多岐にわたり不明とされていますが、主なものはアレルギー反応ではないかと考えられています。溶血性連鎖球菌に対するアレルギー反応が、まず第一にあげられます。

 この菌の感染が起こるとまず感染による症状がみられます。例えば、扁桃炎ではのどの痛みや発熱です。これらは後に軽快していきますが、しばらくすると、体内に入った溶血性連鎖球菌の生成物に対する抗体が血液中にできます。そして抗原抗体反応が起こり、抗原と抗体がくっついた抗原抗体複合物ができます。これが血液中を流れる間に腎臓に沈着し、その結果、種々の反応が起こり腎炎が発症します。

 急性腎炎ではこのアレルギーが一過性に起こりますが、一部では慢性化するものや初めから潜在性で徐々に発症し、気づいたといにはすでに慢性糸球体腎炎になっている場合があります。

 次に、このアレルギー反応により糸球体に炎症が起こると、腎臓機能が障害されてきます。腎臓内の血液が悪くなったり、高血圧が生じ、ますます障害が強くなると、腎炎をさらに悪化させる結果となります。

(財)光線研究所「可視総合光線療法・理論と治験」黒田一明著

馬込沢うえだ鍼灸院

kiichiro2
  • 船橋市馬込沢で鍼灸院・光線療法院をやってます。
    慢性疾患をよくするためには、
    自己のもつ治癒力を高めることが非常に重要です。
    このブログでは主に光線療法について、
    日光を浴びることの重要性について綴っていきます。

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