高齢者における血行状態と精神・身体状況について 1
身体・精神的活動のために
継続した可視総合光線療法は、良好な血液循環が、身体的な活動だけでなく、精神的な活動の高さの維持に大きく関与します。
高齢者では、身体的な活動は、変形性の骨・関節の疾患や骨粗鬆症などの痛みによる影響が大きく、この痛みがあると、身体的な活動は当然制限されてきます。したがって、光線療法による血行改善と鎮痛作用などにより、痛みを軽くしておくことは身体的な活動を容易にさせることから、たいへん有意義であるといえます。
一方、精神的な活動については、脳細胞へ十分な酸素や栄養が補給されているかどうかが重要であり、脳への血流が良好であることが前提となります。光線治療によって、脳への血流が良好になれば、酸素や栄養が絶え間なく脳に運ばれます。これにより大脳、視床下部、延髄などの各機能やこれらの相互の連携機能がうまく作動して意欲や気力が出て精神的な活動が充実することになります。
なお、骨、血管、脳の細胞は、すべてカルシウム代謝と関係が深いといわれ、カルシウムやビタミンDの不足により、骨では骨粗鬆症、血管では動脈硬化、脳では意欲・気力減退、認知症がみられるようになります。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・理論と治験」黒田一明著